ヘッドライトスチーマーはコーティングではない?成分分析から「W施工」を専門店が検証
「スチーマー+PPF=W施工」を専門店が検証
ヘッドライトリペアについて調べていると、
「ヘッドライトスチーマー+プロテクションフィルムのW施工」
という施工メニューを見かけることがあります。
ヘッドライトリペアで劣化した表面を研磨した後にスチーマーを施工し、さらにプロテクションフィルムを施工する方法です。
この説明だけを見ると、
スチーマーで1層目のコーティング
+
プロテクションフィルムで2層目の保護
という、2種類の保護を行っているように感じる方もいるかもしれません。
しかしカーゴシゴシでは、同じように
下地処理 → ヘッドライトスチーマー → プロテクションフィルム
という工程で施工することがありますが、これを「Wコーティング」とは説明していません。
なぜなのか。
カーゴシゴシでは、ヘッドライトスチーマーによってPPFとは別の保護コーティング層が形成されるとは考えていないからです。
カーゴシゴシでもスチーマー+PPFは通常行っている施工です
最初にここを明確にしておきます。
カーゴシゴシが、
「スチーマーを使用していないからW施工ではない」
という話ではありません。
むしろプロテクションフィルムで仕上げるヘッドライトリペアでは、
① 劣化状態を確認
② 黄ばみ・劣化したハードコート・クラック等を研磨除去
③ PPF施工に適した下地を作る
④ ヘッドライトスチーマーで表面を仕上げる
⑤ プロテクションフィルムを施工
という工程を行うことがあります。
つまり、「スチーマー+PPF」という工程自体は特別なものではありません。
カーゴシゴシでも行っています。
違うのは、スチーマーを「1層目のコーティング」として数えていないことです。
カーゴシゴシ自身も以前はヘッドライトスチーマーを「コーティング」と考えていました
ここは隠さず書いておきたいと思います。
カーゴシゴシでは2018年頃からスチーマーの先駆けともいえる有名ヘッドライトスチーマー溶剤(ヘッドライト表面再生装置)を導入しました。
当時は当店自身もこれを「ヘッドライトコーティング」として紹介していました。
しかし、施工を続けていく中で疑問が生まれました。
本当にスチーマー施工によって、ポリカーボネート表面に別のコーティング層が形成されているのだろうか?
そこでカーゴシゴシでは、説明をそのまま信じるのではなく、実際に使用する液剤について成分分析を行いました。
「スチーマーコーティング剤」と呼ばれていた液剤を実際に成分分析

カーゴシゴシが分析したヘッドライトスチーマー液剤では、
99.9%以上がジクロロメタンで、その他は微量の不純物
という分析結果になりました。
この結果は、カーゴシゴシが実際に使用していた液剤を分析した結果です。
したがって、世の中に存在するすべての「ヘッドライトスチーマー液剤」が完全に同じ組成である、とまで主張するものではありません。
しかし少なくとも、カーゴシゴシが分析した液剤については、「溶剤とは別に、十分な保護膜を形成するコーティング成分が大量に含まれている」という結果ではありませんでした。
そして、ヘッドライトスチーマーの施工原理を考えると、スチーマーでコーティングを完了させるのは不可能ということがわかりました。
ここが非常に重要だと考えています。
ヘッドライトスチーマーは何をしているのか?
ヘッドライトリペアでは、黄ばみや劣化したハードコート、表面に発生したクラックなどを研磨によって除去します。
カーゴシゴシの施工工程でも、ヘッドライトの状態に合わせて研磨し、徐々にペーパーの番手を上げながら表面を整えていきます。
つまり、クラックをスチーマーが魔法のように消しているわけではありません。
重要なのは、その前の研磨・下地処理です。
スチーマーは、その研磨後のポリカーボネート表面に溶剤を作用させ、表面を平滑化・透明化するための仕上げ方法として使用しています。
カーゴシゴシでは、
バフによって研磨目を消して透明に仕上げる方法
と、
スチーマーによって表面を透明に仕上げる方法
を、最終的な表面仕上げの違いとして考えています。
だからこそ、スチーマーを「もう一つの保護コーティング」として数えていません。
「透明になる」ことと「保護膜が形成される」ことは別です
ここが今回の記事で最も伝えたいポイントです。
スチーマー施工後のヘッドライトは非常に透明になります。
そのため、
「透明な膜が表面に乗ったからキレイになった」
ように見えるかもしれません。
しかし、
表面が透明になること
と、
別の物質による保護膜が形成されること
は同じ意味ではありません。
もし「スチーマーによってコーティング層が形成される」と説明するのであれば、
何の成分が、どのような反応によって、どの程度の膜厚でポリカーボネート上に残り、それがどのような保護性能を持つのか
という説明が必要になるとカーゴシゴシでは考えています。
単に施工後に透明になるという現象だけを理由に、PPFとは別の「1層目の保護コーティング」と数えることには疑問があります。
「スチーマー+PPFのダブル施工」というメニューは実際に存在します
これは架空の話ではありません。
現在も他社のヘッドライトリペアメニューには、「スチーム加工」と「プロテクションフィルム」を組み合わせた「ダブル施工」として紹介している例があります。
もちろん、「ダブル施工」という名称自体を否定しているわけではありません。
2つの工程を組み合わせているという意味で「ダブル施工」と呼ぶのであれば、それは各施工店のメニュー名称の問題です。
カーゴシゴシが問題にしているのは、
スチーマーによって1層目の「保護コーティング膜」が形成され、PPFによってさらに2層目の保護を行っている
という意味に受け取れる説明です。
ここは分けて考える必要があります。
同じ施工なのに「W施工」の方が良く見えてしまう
今回この記事を書いた一番大きな理由です。
例えば、同じ車種・同じヘッドライトで、
A店
クラック除去
+スチーマー
+PPF
=「W施工」
カーゴシゴシ
クラック除去
+スチーマー
+PPF
だったとします。
料金も同じ。
施工内容もほぼ同じ。
施工実績も同程度。
この2つだけを見せられたら、
「同じ金額ならW施工のA店の方が何か一つ多くやってくれそう」
と感じる方がいても不思議ではありません。
しかし実際の工程が同じなら、カーゴシゴシが一工程省略しているわけではありません。
違うのは、
スチーマーを1層のコーティングとして数えるか、表面仕上げ工程として扱うか
です。
カーゴシゴシは施工数を多く見せる表現をしません
カーゴシゴシでは、
「3工程だからすごい」
「Wコートだから強い」
「○層だから高性能」
という工程数だけでヘッドライトリペアの良し悪しを判断していません。
ヘッドライトリペアで重要なのは、
劣化したハードコートやクラックをどこまで適切に除去できているか。
そして、
その状態に合わせて適切な下地を作り、最終的にどのような方法で保護するか。
だと考えています。
実際、現在のカーゴシゴシの施工事例でも、
クラック・黄ばみ除去
↓
適切な下地処理
↓
透明感を回復
↓
プロテクションフィルムで保護
という考え方を一貫して説明しています。
PPFはスチーマーとは役割が違います
プロテクションフィルムは、スチーマーとは役割が異なります。
スチーマーはリペア工程における表面仕上げ。
PPFはリペア後のヘッドライト表面を、飛び石や擦り傷などの物理的ダメージから守るための保護材です。
使用するフィルムによっては、UV対策やセルフヒーリングなどの機能を備えた製品もあります。
だからカーゴシゴシでは、
スチーマー+PPF=2種類のコーティング
ではなく、
「リペア・表面仕上げ」+「保護」
と考えています。
相見積もりでは「名称」ではなく施工内容を比較してください
ヘッドライトリペアを複数店舗で比較されること自体はまったく問題ありません。
むしろ、高額なヘッドライトを施工するのですから、施工方法や実績をしっかり比較していただきたいと思っています。
その際には、
「W施工」「ダブルコート」「○層施工」
といった名称だけではなく、
何を除去するのか。
どこまで研磨するのか。
スチーマーは何のために使うのか。
リペア後は何で保護するのか。
まで確認してみてください。
カーゴシゴシでも、
下地処理 → クラック除去 → スチーマー仕上げ → PPF施工
を行っています。
それを「Wコーティング」と呼んでいないだけです。
カーゴシゴシの結論
カーゴシゴシでは、ヘッドライトスチーマーについて、
「スチーマー施工によってPPFとは別の保護コーティング層が一層形成される」
とは考えていません。
そのため、
スチーマー+プロテクションフィルム=Wコーティング
という説明も行っていません。
これは単なる感覚や他店への批判から出した結論ではありません。
カーゴシゴシ自身も過去にはヘッドライトスチーマーを「コーティング」として導入していました。
しかし、その後実際に施工を重ね、原理を考え、使用している液剤の成分分析まで行った結果、現在は説明を改めています。
分からないものを、それらしい言葉で付加価値にするのではなく、分からないことは調べる。間違っていたことが分かれば説明を変える。
これがカーゴシゴシのヘッドライトリペアに対する考え方です。
ヘッドライトリペアをご検討の際は、「何施工なのか」だけではなく、実際に何をしているのかを比較していただければと思います。

