スチームリペアあるある。

本日作業した20系アルファードのヘッドライトリペア。
作業日誌は後日投稿するとして・・・お預かり時にお客様からこんなお話をいただきました。

「9ヶ月ほど前に一度スチーム施工でヘッドライトリペアしたんだけど、すぐにこうなっちゃった。」

こうなったとは、こんな感じ↓↓

アルファードヘッドライトクラック除去ブライトマン施工 (3) アルファードヘッドライトクラック除去ブライトマン施工 (3) アルファードヘッドライトクラック除去ブライトマン施工 (3)

バッキバキですね。

「スチーム施工でヘッドライトリペアをするとすぐにクラックが発生する。」

ネットでもよく投稿されている話です。
2年ほど前に瞬く間に日本中に広まったスチーム施工法ですが、主に二つの理由で導入を取りやめるショップさんが続出しました。

①溶剤の主成分がジクロロメタンを使用しているので危険
②施工後にすぐひどいクラックが発生するため綺麗な状態は一時的なもの

この二つがネットで検索してもたくさん出てくるところです。

今日は②について詳しく話したいので①は簡単に書きます。

①溶剤の主成分がジクロロメタンを使用しているので危険

これは、現在でもスチーム系溶剤の主成分は変わっていないと思います。
ジクロロメタンは特化則という最高レベルの規制がかかっている溶剤になります。
使用時にはマスクや換気などいくつか気を付ける点があります。

ただ、この①に関しては(ゴシゴシ的には)、施工者がしっかりと安全対策をすればよいものだと思います。
ジクロロメタン使用=「そんな危険なもの使って!」

ではありません。(ゴシゴシ的には)

防備してジクロロメタンを使用するのと、マスクもせずに塗装をするのだと、どっちが体に悪いでしょうか?
言わなくてもわかりますよね。

結局、ヘッドライトリペアにおいて使用するジクロロメタンの取り扱いは、「使うこと」が危険なのではなくて「安全対策もせずに使うこと」が危険なのです。施工者が気を付けるかどうかだけなので、業務で使用することに対しては「危ないなら安全防具すればいいじゃん。」というだけです。
もちろん、スチーム施工したヘッドライトからジクロロメタンが蒸発してくるわけではないので、お客様、オーナー様に害があるということは皆無です。

「スチーム施工は体に悪い物質を使用して施工するから依頼するのをやめたほうがいい。」

これはもはや何を言っているのかわかりません状態です。

業務でジクロロメタンを使用する際にお客様に危害を加えてしまうとすれば、
・「施工風景を見たい」ということで近くで見学してもらう
・「DIYで施工したい」ということで注意喚起等をせず溶剤を売る。

この2点は、お客様にも害を加え迷惑をかけてしまう恐れがあるためゴシゴシでは行っておりません。

②施工後にすぐひどいクラックが発生するため綺麗な状態は一時的なもの

これもネット上やSNSなどでもたくさん書かれています。
しかも一般ユーザーよりも業者(施工者)側の投稿が目立ちます。

たまに電話でも問い合わせがきたりするのですが・・・

「スチーム施工は下地処理をちゃんとしないとクラックが入りますよ。」

というと決まって、

「うちは○○番からしっかり下地削ってるよ!」

という答えが返ってきます。

 

○○番から始めればしっかり下地やってるって基準は何なのかな?という疑問がまず浮かびますが、そもそもヘッドライトリペアにおいて、ペーパーの番手で「ここから始めればいい」って基準自体がおかしな話です。

使い古した600番より新品の800番の方が削れるでしょうし、数十秒当てただけの600番より1時間何枚も使って削り続けた1000番の方が削れてるでしょうし。

「あんまり削るとヘッドライトに穴があく」という人がいますが、じゃあ穴があくまで削ったことがあるんですか?と。

 

ここの話は、お金をいただいて開催する技術講習で話すことなので詳しくは話せませんが、大事なのは何番のペーパーから始めるかではなくて、劣化したヘッドライトがどこまで・どのように削ったら新品に近い状態のヘッドライト表面になるかということです。別に何番のペーパーを使おうが作業時間が長くなるだけなので、最終的にちゃんと削り切れていればいいのです。

話を最初の最初に戻して・・・

今日施工したアルファードのヘッドライト。
スチーム施工後の無数のクラックの原因は「溶剤」が悪いわけではなく「下地処理」が悪いのです。

施工が簡単!で広まったスチーム施工ですが、その安易に儲かりそうという考えから導入し、不具合が発生したら溶剤のせいにする。

これ、一番不幸なのは依頼したお客様ですよ。
そこ、気づいてますか?

 

カーゴシゴシとして断言します。

スチーム施工は下地処理をしっかり行えば施工後クラックは発生しません。
施工後クラックが発生した時、溶剤を疑うのではなく自分の腕を疑ってください。

 

なんかモヤモヤしてしまって。
今日依頼していただいたアルファードのオーナーさん、一度施工して、不具合が起きてゴシゴシにご来店いただいて・・・
短期間で二度、決して安くない金額を払っています。

こういったお客様が少しでも減るように、長文ですが自分の考えを書かせていただきました。

 

アルファードヘッドライトクラック除去ブライトマン施工 (9) アルファードヘッドライトクラック除去ブライトマン施工 (9) アルファードヘッドライトクラック除去ブライトマン施工 (9) アルファードヘッドライトクラック除去ブライトマン施工 (9) アルファードヘッドライトクラック除去ブライトマン施工 (9) アルファードヘッドライトクラック除去ブライトマン施工 (9)